千葉県には菜の花畑の中をトコトコ走るカワイイ列車があります。その列車が走っているのは「いすみ鉄道」です。いすみ鉄道には、菜の花が咲く頃に黄色い車体の「菜の花列車」が走ります。菜の花列車の姿を遠くから眺めているだけで、心がほっこりした気持ちになります。今回は、千葉県いすみ鉄道・絶景の菜の花畑をトコトコ走る菜の花列車について詳しくご紹介します。

①【いすみ鉄道】菜の花と桜の絶景鉄道‼︎

【いすみ鉄道】菜の花と桜の絶景鉄道

いすみ鉄道とは千葉県夷隅郡大多喜町大多喜にある鉄道会社のことです。いすみ鉄道の名前の由来は、起点駅と終点駅が夷隅(いすみ)地方にあるからです。いすみ鉄道は、菜の花が咲く頃に走る列車があることから、別名「菜の花鉄道」とも呼ばれています。

❶いすみ鉄道の歴史

いすみ鉄道の歴史は大変長く、約90年以上の歴史があります。いすみ鉄道の歴史は大きく分けると次の3つの時代に分かれます。

①旧国鉄の木原線時代
昭和5年(1930年)に、旧国鉄の木原線として木原線大原~大多喜間の15.9kmが開通しました。

②R木原線時代
昭和62年(1987年)に、旧国鉄からJR木原線に移行しました。

③いすみ鉄道時代
昭和63年(1988年)に、いすみ鉄道として営業を開始しました。

❷現在のいすみ鉄道について

現在のいすみ鉄道は第3セクターが運営しています。第3セクターとは、国や地方公共団体と民間企業が共同で出資してできた事業体のことです。いすみ鉄道の総路線距離は26.8kmになり、旧国鉄時代よりも延びています。いすみ鉄道の区間は次の通りです。

①起点:千葉県いすみ市の「大原駅」

②終点:千葉県夷隅郡大多喜町の「上総中野駅」

駅数は現在14駅(起終点駅含む)あります。全線単線です。

▲菜の花と桜が有名ないすみ鉄道「総元駅」

❸これまで何度も存亡の危機に陥った鉄道

いすみ鉄道を一言でいうと、これまで何度も存亡の危機に陥った鉄道です。主な理由は沿線の過疎化・少子化・移動手段が自動車化したことなどです。いすみ鉄道開業の初年度は利用者が年間112万人いました。その後2000年には年間60万人、2005年には年間45万人まで年々右肩下がりを続けます。これによりいすみ鉄道の経営危機が深刻化してきました。ちなみに2019年の赤字額は1億9,421万円もあります。

❹いすみ鉄道が存続できている理由

いすみ鉄道が存続できている理由は、いすみ鉄道を「観光列車化」したからです。赤字に苦しむいすみ鉄道を変えたのは、後にカリスマ社長といわれるいすみ鉄道の2代目社長鳥塚 亮(とりづか あきら)氏が就任したからです。鳥塚 亮氏は、社員を前にした朝礼の時「1人もクビにしない」と宣言します。そしてこれまで人の移動が目的だったいすみ鉄道を、観光列車化しました。これにより赤字ローカル線で地元のお荷物だったいすみ鉄道は活気を取り戻します。その後、地元観光のシンボル的存在として注目されるようになりました。

➁いすみ鉄道が行った観光列車化とは?

こちらではいすみ鉄道が行った観光列車化について詳しくご紹介します。

❶ムーミン列車の運行

いすみ鉄道は、2009年10月よりムーミン列車を運行しています。ムーミン列車とは、黄色い車体の列車の側面にムーミンファミリーのキャラクターたちが描かれている列車のことです。ムーミン列車を運行させている理由は、車窓から眺めるいすみ鉄道の風景がムーミン谷に似ているからです。ムーミンのキャラクターたちは列車の至るところに描かれていることから、実際に列車に乗ってかれらを見つけるという楽しみがあります。

❷桜のトンネルをくぐる列車

いすみ鉄道は、桜の満開の時期には桜のトンネルをくぐる列車を走らせています。いすみ鉄道は単線です。桜の枝が列車から近く、桜の満開の時期になるとまるで桜のトンネルの中を列車がくぐっているように見えます。そのため車窓からの眺めが抜群で、きれいに咲き誇った桜を眺めながらひとときの列車の旅を楽しむことができます。

桜のトンネルをくぐる列車

▲いすみ鉄道で最も有名な総元駅ホームからの景色

▲国道465の小谷松駅〜東総元駅の区間で菜の花と桜と線路の景色を撮影することができます。

❸菜の花列車の運行

菜の花列車の運行

いすみ鉄道は、菜の花の見頃の時期には菜の花列車を運行しています。菜の花列車とは、菜の花と同色の黄色い車体の列車が、満開の菜の花畑の中を走る観光列車のことです。菜の花列車は、昔活躍したディーゼルカーなので、アナログな雰囲気が満載です。遠くから眺めていると、菜の花畑の中をトコトコ走る姿がカワイく、若い女性に人気でよくSNSにアップされています。菜の花の開花時期は例年2月中旬頃からです。見頃の時期は3月中旬から4月中旬にかけてです。ぜひ、美しい菜の花畑と菜の花列車のコラボをご覧ください。

➂いすみ鉄道へのアクセス情報

こちらではいすみ鉄道へのアクセス情報について詳しくご紹介します。いすみ鉄道の住所は「千葉県夷隅郡大多喜町大多喜264」です。

❶いすみ市役所から大原駅(起点駅)への車でお越しのルート

いすみ市役所(千葉県いすみ市大原7400−1) ⇒ 伊南房州通往還 ⇒ 大原中央商店街 ⇒ 県道175号 ⇒ 大原駅 

総移動距離は約700 m、移動時間は約2分で着きます。

いすみ鉄道 まとめ

今回は、千葉県いすみ鉄道・絶景の菜の花畑をトコトコ走る菜の花列車についてご紹介しました。千葉県いすみ鉄道は「ムーミン列車」「桜のトンネルをくぐる列車」「菜の花列車」など、乗客をワクワクさせる楽しい列車をたくさん走らせています。イベントも盛りだくさんで、思い出に残る楽しい時間を過ごすことが可能です。千葉県を訪れた時には、ぜひいすみ鉄道に乗ってみることをおすすめします。

いすみ鉄道公式ウェブサイト
千葉県いすみ市と大多喜町を走るいすみ鉄道公式ウェブサイトです。

▲公式サイト

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