
急な病気やケガに見舞われたとき、電話一本で駆けつけてくれる存在、それが救急車です。日本では当たり前のように「無料」で利用できますが、実はこれは世界的に見ても非常に珍しい制度です。本記事では、日本の救急車が持つ特徴や仕組み、出動の実態、そして近年議論されている有料化問題までを、わかりやすく整理して解説します。
1. 世界に誇る日本の救急車制度

日本の救急車制度の最大の特徴は、国籍・納税の有無を問わず、誰でも無料で利用できる点です。日本に居住している外国人はもちろん、観光などで一時的に滞在しているインバウンドの外国人であっても、119番に電話すれば無料で救急車を呼ぶことができます。この「誰一人取り残さない」考え方は、日本の社会制度の中でも特に評価されるべきポイントだと言えるでしょう。
救急車の利用が無料の国は?
救急車の利用が無料、または公的負担が大きい国としては、イタリア、イギリス、香港などが挙げられます。ただし、
- イタリア(ローマ)
- イギリス(ロンドン)
といったように首都など一部地域に限定されているケースがほとんどです。国全体で無料制度を維持しているのは、日本と香港のみとされており、日本の制度がいかに特殊であるかが分かります。
2. 日本の救急車の基本情報
日本で救急車が1回出動するのにかかる費用は、約4万5,000円といわれています。この費用は利用者が支払うのではなく、税金によって賄われています。また、119番通報から現場に到着するまでの全国平均時間は、**約10分(2023年:10.0分)**です。救急車の正式名称は「救急自動車」で、主に消防署に配備されています。
救急車の呼び方(119番通報の流れ)

救急車を呼ぶ手順は次の通りです。
- 119番に電話する
- 「救急」であることを伝える(消防車か救急車かを区別するため)
- 以下の情報を伝える
- 現在地の住所
- 傷病者の症状・年齢
- 通報者の氏名と連絡先
- 必要に応じて
- 持病の有無
- 服用中の薬
- かかりつけの病院
これらを伝えることで、最寄りの消防署から救急車が迅速に出動します。
3. 救急車にはどんな人が乗っているのか

救急車には救急隊員が乗車しています。救急隊員は消防署に所属し、原則3人1組で活動します。119番通報を受けると現場へ急行し、傷病者を救急車に収容。応急処置を行いながら、症状に応じて適切な医療機関へ搬送します。救急隊員は24時間体制で待機しており、非常に過酷な勤務環境にあります。なお、救急隊員と消防隊員は同じ組織に所属しています。
救急救命士とは?
救急救命士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格者で、医師の指示のもと「救急救命処置」を行うことができます。病院到着までの限られた時間の中で、症状の悪化を防ぎ、命をつなぐ重要な役割を担っています。
多くの救急救命士は消防署に勤務していますが、
- 自衛隊
- 海上保安庁
- 警察
- 病院
- 民間救急会社
など、幅広い分野で活躍しています。
4. 救急車はどれくらい出動しているのか

日本の救急車は、約4.4秒に1回という非常に高い頻度で出動しています。
令和4年度の実績では、
- 救急出動件数:722万9,572件
- 搬送人員:621万7,283人
となっており、救急現場の負担が年々増大していることが分かります。
5. 救急搬送される人の症状の内訳
令和4年度における搬送者の症状別割合は次の通りです。
- 軽症:47.3%
- 中等症:43.5%
- 重症:7.7%
- 死亡:1.5%
重症者と死亡者を合わせても10%未満であり、実際には「緊急性が高くないケース」が多いことが読み取れます。
6. 救急車有料化の議論が進む理由

現在、日本では救急車の有料化について議論が始まっています。その背景にあるのが、運用コストの増大です。令和4年度に救急活動全体でかかった費用は、約3,253.5億円にものぼります。今後、高齢化や医療需要の増加により、さらに負担が増すことが予想されています。
7. 救急車の有料化を回避するために
有料化を回避するために最も重要なのは、本当に必要な人だけが利用するという意識です。軽症や緊急性の低いケースでの安易な利用が続けば、日本が誇る救急車制度そのものが維持できなくなる可能性があります。
まとめ
日本の救急車は、世界的に見ても極めて珍しい「全国無料」の制度です。しかし、その裏側では莫大なコストと現場の負担が存在しています。この素晴らしい制度を未来へ残していくためには、制度に頼るだけでなく、私たち一人ひとりのモラルと正しい理解が欠かせません。救急車は「最後の命綱」であることを、今一度考える必要があるのではないでしょうか。
▲厚生労働省サイト
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