①日本のチロルと言われた「下栗の里」とはどんなところなのか?
こちらでは下栗の里について詳しくご紹介します。下栗の里とは、長野県の南部に位置する集落のことです。
下栗の里は標高800〜1000mの山岳地帯の中腹部、長野県飯田市上村遠山郷(とうやまごう)にあります。
この場所は南アルプスの山々が目の前に迫る最大傾斜38度の傾斜地です。下栗の里の読み方は「しもぐりのさと」と読みます。2009年に下栗の里は「にほんの里100選」にも選ばれました。
➁別名から見た下栗の里のイメージとは?
下栗の里には、いくつかの「別名」があります。もっとも有名な別名は「日本のチロル」です。「日本のチロル」に命名された理由は、下栗の里がオーストリアのチロル地方に似ていたからです。「日本のチロル」の命名者は東京学芸大学名誉教授の市川健夫氏でした。また下栗の里は標高800〜1000mの高所にあることから、日本のチロル以外にも「マチュピチュ」「天空の里」「天空の隠れ里」とも呼ばれています。どれも下栗の里のイメージを表すにはぴったりの別名です。
③天空の里ビューポイントに行く
下栗の里は、平成21年秋に下栗の里を一望できる頂上付近に「天空の里ビューポイント」を造りあげました。頂上付近の天空の里ビューポイントまでの行き方は「はんば亭」の駐車場に車を停め、およそ20分歩いてビューポイントへ向かいます。遊歩道を歩くこと20分、山の斜面に造られた展望台があります。展望台を昇るとそこには「天空の里」を連想させる絶景を見渡すことができます。ビューポイントの800m手前までは車で行くことができますが、800m手前からは遊歩道を歩いていかなければなりません。
▲駐車場から歩くとビューポイントの山道入り口に到着します。ここには募金箱が設置してあり山道や展望台の維持費にしているようです。
▲「まごごろの杖」足場が悪い所を歩くので地元の方が杖に使えそうなちょうど良いサイズの木の棒を用意してくれています。
▲手すりなどは付いていますが、ご覧のように足場の悪い道が続きます。
▲駐車場より20〜30分で展望台に到着します。下栗の里を上から眺めることができる絶景スポットです!!
➂なぜ「下栗の里」という名前が付けられたのか?
下栗の里は、どんな理由で「下栗の里」という名前が付けられたのでしょうか?「下栗の里」という名前になった理由は、標高800〜1000mの高所にあった下栗の里は、霜(しも)が降る頃に栗が収穫できていたからです。そこから「霜が降る頃に栗が収穫できる里」という意味から「下栗の里」と名付けられました。もともと「下栗の里」の「下」は「霜」という字の方が本来の名前です。またもう1つ説があります。下栗の本村が、山の中腹よりも下にあったことから「下栗の里」と名付けられたという説もあります。本村とは「集落の中心の村という意味」です。
④現在、下栗の里には何人住んでいるのか?
2019年12月の朝日新聞の記事によると、現在下栗の里の集落にはおよそ90人の方が暮らされています。内訳は高校生以下が8人、親世代が10人、60歳以上が72人です。なので里の集落は現在100人を切っています。
⑤下栗の里の歴史
下栗の里の歴史には、さまざまな説があります。こちらでは古い順から下栗の里に関する歴史について詳しくご紹介します。
❶縄文時代から人が暮らしていた説
下栗の里に人が住むようになったのは縄文時代からではないかといわれています。理由は、下栗の里や隣接する中根地区で縄文土器が出土しているからです。
❷平家の落人が集落を作った説
下栗の里は、平家の落人(おちゅうど)が集落を作ったという説もあります。落人とは、戦(いくさ)に負けて逃げた武士のことです。
❸鎌倉武士が集落を作った説
下栗の里は、鎌倉武士が集落を作ったという説があります。理由は、最奥の大野地区に三浦、久保(敷)などの鎌倉武士に縁がある苗字があるからです。南アルプスを越えて鎌倉武士が入り、定住したといわれています。
❹江戸時代には徳川幕府の天領だった
江戸時代になると下栗の里は徳川幕府の天領になりました。理由は、地域を治めていた遠山氏が滅亡したことと、遠山地方全域に豊富な森林資源があり徳川幕府の収入にしたかったからです。下栗の里は江戸時代後期から人口が増えて多い時には300人を超えました。
❺明治時代の下栗の里は林業で栄えた
明治時代の下栗の里は林業で栄える集落になりました。木材景気は昭和40年頃まで続きます。
❻現在の下栗の里
現在の下栗の里の人たちは主に農業で生計を立てています。水田が極めて少なく、畑作が中心です。高地に適した蕎麦、二度芋、トウモロコシなどの野菜や雑穀が作られています。
⑥下栗の里へのアクセス情報
下栗の里の住所は長野県飯田市上村下栗です。下栗の里へのアクセス情報は次の通りです。
❶車でお越しの方
〇中央道飯田ICから下栗の里までのルート
中央道飯田IC ⇒ 三遠南信道 ⇒ 国道153・152号 ⇒ 県道83・251号経由 |
中央道飯田ICから下栗の里までの距離はおよそ40km、時間はおよそ1時間10分で到着します。
❷公共交通機関でお越しの方
〇JR飯田駅から下栗の里までのルート
JR飯田駅 ⇒ 路線バス遠山郷線に乗り上町バス停下車 ⇒ さらにバス停からタクシーで下栗の里へ |
JR飯田駅から上町バス停までバスで60分、タクシーで下栗の里まで15分で到着します。
⑦下栗の里の駐車場情報
下栗の里の駐車場は第1駐車場と第2駐車場の2つの駐車場があります。どちらの駐車場も無料です。
❶第1駐車場(はんば亭の駐車場):40台停められます。
❷第2駐車場(はんば亭から若干離れた場所):10台停められます。
⑧トイレ・自販機・食事の情報
下栗の里では、トイレ・自販機・食事・宿泊も可能です。
❶トイレ
トイレは「はんば亭」がある第1駐車場の近くに24時間開放されているきれいなトイレを使えます。
❷自販機
自販機は「はんば亭」の横にあります。
❸食事
食事は「はんば亭」で定食などを食べることができます。
⑨現在は割と観光地化されており宿泊も可能
下栗の里は、険しい高原の傾斜面に集落があるイメージがあります。ところが現在は、割と観光地化されており宿泊も可能です。おすすめの宿泊施設は「高原ロッジ下栗」です。近代的な洋風の建物になります。ちなみにオーナーは60代になって下栗の里にUターンされてきた方です。
⑩下栗の里へ向かう時の注意点
下栗の里へ向かう時には注意点があります。それは途中の道幅がかなり狭いことです。国道152号線から下栗の里までの道は、狭くいくつもカーブが連続します。くねくね道が続くので、対向車に十分注意して安全運転を心がけましょう。駐車場は合計50台停められる広い駐車場があります。
まとめ
今回は、日本のチロル下栗の里を訪ねる絶景の旅についてご紹介しました。長野県下栗の里は、まるでオーストリアのチロルやペルーのマチュピチュを思わせるような絶景の里です。頂上付近にある天空の里ビューポイント展望台から見下ろす光景はまさに絶景の名にふさわしい光景です。長野県下栗の里は、日本でも有数のビュースポットです。
長野県を訪れた時には、ぜひ下栗の里に寄ってみることをおすすめします。
▲下栗の里 第二駐車場
▲公式サイト
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