
2025年春、SNSやニュースで「令和の米騒動」とも呼ばれる話題が世間をにぎわせています。発端は、ある農林水産大臣の“失言”から始まりました。農水省によると、全国のスーパーで4月28日~5月4日に販売された5キロ当たりお米の平均価格は4214円となっている。これは前年度の約2倍で推移している。
江藤農相の発言で波紋広がる

「コメは買ったことがない」「米は売るほどある」――
農林水産大臣を務めていた江藤拓氏のこの発言が、全国の農家や消費者の怒りを買い、更迭される事態になった。JAを支援基盤とする農林族議員であったことから、与党内でもその処遇をめぐり議論が巻き起こりました。その後任に就任したのが、5月23日に発表された小泉進次郎新農林水産大臣。彼が掲げた“備蓄米2000円”政策に賛否の注目が集まっています。
小泉進次郎農水大臣が語る「備蓄米2000円」政策とは?

小泉大臣は、就任当日の記者会見で「備蓄米を5キロ2000円台で店頭に並べる。ネット販売も含めて、全国どこでも届くようにしたい」とのような発言をしました。これまでの一般競争入札制を見直し、6月以降は※『随意契約』によって小売店と直接契約を結ぶ新方式へ移行すると発表。この方針にはすでに70社以上が申込を行い、6月分の30トンはほぼ満枠となり受付停止になった模様です。放出した備蓄米のに関しては安く出回ると思われるが、市場の主流である一般流通米の価格がこれに連動して下がるかどうかは不透明です。
※ 随意契約とは
行政契約の締結方法の一種。国や地方公共団体などが競争入札によらずに任意で決定した相手と契約を締結すること。
備蓄米とは?どれくらい出荷されているのか?
「備蓄米」とは、自然災害や需給バランスの乱れに備え、国が常時100万トン前後を保有しているお米のこと。
現在までに4回の放出が行われており、累計約41万トンに達しています。
放出回数 | 出荷量 |
第1回 | 約14万トン |
第2回 | 約7万トン |
第3回 | 約10万トン |
第4回 | 約10万トン |
第5回(予定) | 6月に30トンを放出予定(随意契約) |
ただし備蓄米の多くは「古米」(1年以上保存)であるため、風味や炊き上がりに差があるとの指摘もあり、消費者の理解促進と情報開示が課題となっています。備蓄米の放出は新米が出回る前の7月まで放出する予定です。
お米が高騰している3つの理由

ここで、今回の「米高騰」の背景を整理してみましょう。以下の理由が考えられます。
- 肥料・資材の高騰
ウクライナ危機や円安で、肥料・資材の輸入価格が上昇し、生産コストが大幅に増加。 - 日照不足と天候不良
2024年夏は記録的な日照不足で、全国的に収量が減少。「不作」が価格を押し上げる要因に。 - 米農家の高齢化と減少
担い手不足により、全国の水田で稲作を続ける農家が減少。長期的な供給不足も懸念されます。
今後の対策と国の動き【時系列まとめ】
日付 | 出来事 |
4月上旬 | 米価格の急騰が報道され始める |
4月中旬 | 江藤前農水相の失言→更迭 |
5月23日 | 小泉進次郎氏が農水相に就任、「備蓄米政策」発表 |
6月以降 | 備蓄米を随意契約で30トン放出予定、ネット販売なども視野に |
まとめ|「米」は文化。日本の未来を支える選択を

お米は、日本人の食卓に欠かせない存在であり、単なる主食ではなく文化でもあります。今回の「米騒動」は、私たちがどんな社会でどんな食を守っていくのかを問う出来事でもあります。農家を守るため、そして持続可能な食卓を守るために、地元産米を選ぶ・過剰な買い占めを避ける・制度改革を注視するなどすることも、今できる私たちのアクションの一つかもしれません。 消費者である私たちも、国産米や地元農家への関心を高め、持続可能な食文化を守る一員となれるよう、行動していきたいものですね。
🔽農林水産省ホームページ

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