江戸時代の面影を色濃く残した町並みが今も続くのが「奈良井宿」です。奈良井宿の通りには、現在の日本では減りつつある板壁・千本格子・猿頭などの江戸時代に主流だった建築工法を使った家屋が軒を連ねています。奈良井宿は、江戸の息吹が今も息づく古式ゆかしい風情を残す場所です。では、奈良井宿とは一体どんなところなのでしょうか?今回は、長野県奈良井宿・200年前の江戸の街並みが今も残る宿場町について詳しくご紹介します
①江戸の街並みが今でも残る宿場町「奈良井宿」とはどんなところなのか?
こちらでは奈良井宿について詳しくご紹介します。奈良井宿とは、長野県の中央部に位置する元宿場町のことです。
奈良井宿は木曽路(きそじ)の途中の標高約940mの一番高い場所にあります。木曽路とは、鳥居(とりい)峠付近から馬籠(まごめ)峠の間の長野県木曽地方にある中山道(なかせんどう)の一部の区間のことです。奈良井宿の読み方は「ならいじゅく」と読みます。奈良井宿は、1978年に文部科学省文化庁から「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。また2007年には、美しい日本の歴史的風土百選にも選ばれています。奈良井宿とは、奈良井川に沿って南北約1kmほどの町並みです。一見、1kmと聞くと短く感じるかもしれません。ところが奈良井宿は江戸時代には日本最長の宿場町でした。奈良井宿の地図上での始まりと終わりは、始まりは鳥居峠からみると鎮神社(しずめじんじゃ)からで、終わりは奈良井宿の観光案内所までです。
▲古き良き街並みを見ることができ、住民の方も普通に生活しております。
▲撮影した日は氷点下を下回り屋根には氷柱ができていていました。
②奈良井宿の歴史
こちらでは奈良井宿の歴史について詳しくご紹介します。
❶中山道の34番目の宿場町として作られる
奈良井宿は、江戸時代に整備された五街道の1つである中山道の34番目の宿場町として作られました。その後、奈良井宿は江戸時代から明治時代にかけて賑わい続け栄えます。
❷奈良井宿が歴史上に初めて登場したのはいつか?
奈良井宿が初めて歴史上に登場したのは、1568年頃からです。きっかけは1431年に、標高1197mの旅の難所である鳥居峠が開通したからです。その後、鳥居峠目前の宿場町として奈良井宿が作られます。具体的に奈良井宿の名前が歴史上に登場したのは1568年に相州文書、1580年に前田家文書です。ただし現在の名称である「奈良井宿」ではありません。「楢井(奈良井宿のこと)」という地名で登場します。なのでもともとの地名は「楢井宿」が正しいといわれ、この頃にはすでに宿場町として成立していたといわれています。
❸かつて「奈良井千軒」といわれるほど栄える
奈良井宿は、かつて「奈良井千軒」といわれるほど栄えました。その理由は、木曽路の最大の難所である鳥居峠を目前に控えていたからです。当時の鳥居峠は急こう配で、さらに山賊が多く出没していました。旅人は急こう配に備えるためと、夜は山賊から身を守るために必ず奈良井宿に1泊する必要がありました。そのため多くの旅人が宿をとったことから「奈良井千軒」といわれるほど奈良井宿は栄えることになります。
❹江戸時代当時はどれくらいの規模の宿場町だったのか?
奈良井宿は、南北に約1km、東西に約200mもあり、江戸時代当時は日本最大級の宿場町でした。現在も残る宿・商店・茶屋などが町並みを形成していました。奈良井宿は、中山道宿村大概帳によると宿内家数は最盛期では409軒あったといわれています。宿内家とは、宿場町にある宿泊施設のことです。最盛期の宿内人口は2,155人でした。奈良井宿には本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠(はたご)5軒で、その他小規模な宿泊施設や木賃宿などがありました。ちなみに中山道宿村大概帳とは、天保14年(1843年)に記録された江戸幕府が五街道とその脇街道の宿と沿道の状況を記録した帳簿のことです。
❺三勤交代の中間地点として栄える
奈良井宿は、江戸時代には三勤交代の中間地点として栄えた宿町です。奈良井宿には、皇族や身分の高い大名が宿泊する「本陣」、本陣の予備施設である「脇本陣」、家臣や一般人が宿泊する「旅籠」が作られます。ちなみに奈良井宿がある中山道を利用した大名は、加賀前田家をはじめ約39藩が利用していました。そのため奈良井宿には三勤交代のたびに、莫大な宿代が使われていました。
③奈良井宿へのアクセス情報
奈良井宿の住所は長野県塩尻市奈良井です。アクセス情報は次の通りです。ちなみに奈良井宿は東京方面と名古屋方面を結ぶ国道19号線沿いにあります。
❶車でお越しの方
〇東京方面から奈良井宿にお越しの方のルート
中央自動車道 ⇒(2時間10分)⇒ 岡谷JCT ⇒(10分)⇒ 塩尻I.C ⇒ R19(35分) ⇒ 奈良井宿 |
〇名古屋方面から奈良井宿にお越しの方のルート
中央自動車道 ⇒(45分)⇒ 中津川I.C ⇒ R19(1時間30分) ⇒ 奈良井宿 |
❷電車でお越しの方
〇東京方面から奈良井宿にお越しの方のルート
新宿 ⇒(JR中央線:特急2時間40分)⇒ 塩尻駅 ⇒ (JR中央線:25分)⇒ 奈良井駅 ⇒ (徒歩:3分) ⇒ 奈良井宿 |
〇名古屋方面から奈良井宿にお越しの方のルート
名古屋駅 ⇒ (JR中央線:特急1時間30分) ⇒ 木曽福島駅 ⇒ (JR中央線:20分) ⇒ 奈良井駅 ⇒ (徒歩:3分) ⇒ 奈良井宿 |
④奈良井宿里の駐車場情報
奈良井宿里の駐車場情報は次の通りです。
〇無料駐車場
・木曽の大橋(東駐車場):普通車12台、身障者用3台
・木曽の大橋(西駐車場): 普通車51台、身障者用1台
・道の駅 奈良井宿駐車場:大型車15台、中型車(マイクロバス)2台、普通車28台、身障者用2台
⑤奈良井宿に冬の時期に訪れるには?
奈良井宿に冬に訪れると、雪化粧を纏い一面に銀世界を形成して大変美しいです。ただし長野県の標高約940mの場所にあるので、冬の時期は豪雪地帯になります。そのため冬に訪れる場合は冬用の準備が必要です。防寒対策をバッチリして訪れましょう。また車の場合はスタッドレスタイヤを忘れずにお出かけください。
⑥奈良井宿の周辺情報
奈良井宿周辺にはさまざまな観光スポットがあります。こちらでご紹介します。
❶道の駅 奈良井木曽の大橋
奈良井宿からの目安距離290mで徒歩約4分の場所にあります。
❷中村邸
奈良井宿からの目安距離490mで徒歩約7分の場所にあります。
⑧奈良井宿の宿泊施設情報
奈良井宿は、今でも実際に宿泊することができます。こちらでは奈良井宿の宿泊施設についてご紹介します。
❶ゑちごや旅館
ゑちごや旅館は創業220余年、奈良井宿で唯一営業を続ける旅籠です。
❷御宿 伊勢屋
御宿 伊勢屋は、文政元年創業の老舗の旅籠です。奈良井宿にはその他にも江戸情緒あふれる素敵な宿泊施設がたくさんあります。
奈良井宿 まとめ
今回は、長野県奈良井宿・200年前の江戸の街並みが今も残る宿場町についてご紹介しました。長野県奈良井宿は、江戸時代の面影を今も色濃く残した町並みが印象的な元宿場町です。現在は、江戸情緒あふれる宿泊施設はもちろん、お食事処、古民家風のカフェ、小物店など旅人を楽しませてくれる素敵なお店がたくさん軒を連ねています。長野県奈良井宿は、江戸時代にタイムスリップができる観光スポットです。長野県を訪れた時には、ぜひ奈良井宿を訪れてみることをおすすめします。
▲奈良井宿
▲公式サイト
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